営業現場から、AIでプロダクト開発。挑戦を形にするプロダクトビルダー

鈴置 隼人
2022年|中途入社
ferret事業部
セールス/プロダクトビルダー
大手広告企業での営業、SaaS企業でのCSを経てベーシックに入社。入社後はCS、マーケティング、セールスなど幅広い領域で活躍。
現在は「AIプロダクトビルダー」として、AIに自然言語で指示しながら開発する手法を活用。営業、CS、マーケティング、プロダクト開発まで横断的に関わるハイブリッド人材。
顧客理解とSaaS経験を武器に、AIへ挑む
これまでのキャリアについて教えてください
大学卒業後、大手広告系企業で広告営業を担当しました。その後、EC系SaaS企業でCSとCS Opsの立ち上げに携わり、リーダーも経験しました。
営業で培った顧客理解に加え、データを活用してサービスの活用度を高める仕組みづくりに携わったことで、SaaSビジネスの全体像が見えるようになりました。
ベーシックには2022年12月に入社し、最初はferretメディアのCSからスタートしました。その後、新規事業のLead Growth(現ferretソリューション)やLP Oneで、CSや営業を担当。さらに、ferretソリューションのメールマーケティング推進にも携わり、ferret Oneのフィールドセールスへ異動しました。
現在はferret Oneとferret MAのセールスに加え、プロダクト部のAI研究開発グループも兼任しています。
営業、CS、マーケティング、事業開発と、SaaS企業における分業型のビジネスプロセスを一通り経験してきたことが、今の仕事の土台になっています。新しいフィールドに飛び込み続けてきたキャリアですが、今はAIにどっぷり浸かっています。
挑戦を後押しする文化が、入社の決め手
ベーシックに入社したきっかけは何でしたか
きっかけは大きく3つあります。
1つ目は、「挑戦」に対するスタンス。役員や部長をはじめ、社員一人ひとりの挑戦を本気で歓迎する空気を、面接の段階から強く感じました。
前職・前々職で営業、CSと領域を変えてきた自分にとって、次はマーケティングに挑戦したいという思いがありました。ベーシックであれば、その延長線上にあるキャリアを描けると感じました。
2つ目は、事業領域。マーケティングや営業活動の課題解決という領域は、自分のキャリアの延長線上にあり、かつ市場としても大きな可能性を感じていました。
3つ目は、人を大切にするカルチャーや制度。家族のための休暇制度など、社員の人生に向き合った仕組みが整っている点にも惹かれました。
入社の決め手は、挑戦を歓迎するカルチャーが"本物"だと感じたことです。

AIを相棒に、現場の課題を解決する
営業をしながらプロダクト開発に関わったりと、「プロダクトビルダー」を体現されていますが、具体的にはどのような取り組みをしていますか?
大きく2つの軸があります。
1つ目は、営業現場の課題を自分でツール化して解決すること。
もともと、ショートカットや小さな効率化が好きで、手間がかかることをいかに効率的に進めるか、その仕組みをどう作るかに関心がありました。AIは、それを実現してくれる最高のパートナーだと感じています。
例えば、商談中にその場でferret Oneの概算費用を提示できる「瞬間概算シミュレーター」を、Google Apps Scriptで自作しました。現在は他のセールスメンバーにも展開しています。
他にも、案件ごとに次に取るべき行動を管理するダッシュボードや、商談議事録をもとにAIが業務フロー図を自動生成するWebアプリなど、10以上のツールを開発してきました。いずれも、現場で感じた課題や「もっと便利にできるのでは」という発想から生まれたものです。
2つ目は、AIを活用した開発手法の社内普及。
Google Apps ScriptとCodexを組み合わせた開発方法などを社内ナレッジとして公開し、エンジニアではないメンバーでも、自分の業務課題を自分で解決できるように情報共有や支援を行っています。
現在はセールス部と並行して、プロダクト部のAI研究開発グループにも所属しています。営業現場で得られる一次情報と、プロダクト開発をダイレクトにつなぐ役割を担っています。
情報は誰でも得られる時代だからこそ、大事なのは「実際に自分の手で試すこと」だと思います。日々AIの技術に触れながら、現場で使える形に落とし込むことを意識しています。

非エンジニアも、自分の手で課題を解決できる組織へ
仕事の中で感じた課題に対して、問題解決したエピソードについて教えてください
「非エンジニアが自分の業務課題を自分で解決できない」という壁を壊したエピソードです。
秋口にCursorやNext.jsを使ってチーム用のWebアプリを開発しましたが、同じことを他のメンバーがやろうとすると、技術スタックの学習コストが高く、再現性がありませんでした。
「営業やCSの現場にいる人が、自分が一番よく知っている課題を、自分の手で解決できたら、組織の生産性は飛躍的に上がるはず」——そう確信し、解決策を模索しました。
目をつけたのが、GAS × Codex(ChatGPTのコーディングエージェント)という組み合わせです。GASは全社員が使えるGoogle環境、Codexはすでに全員に配布済みのChatGPTアカウントで利用可能。つまり新たな課金も申請も一切不要で、誰でも今すぐ始められます。
自分が作ったシミュレーターやダッシュボードを事例として社内ナレッジページに公開し、他のチームやメンバーからも「自分もやってみたい」という声が上がるようになりました。
資料自動化や業務効率化の相談を受ける機会も増え、AI夕会でのドキュメント駆動開発などの知見共有にもつながっています。
「解決すべき課題」を見つけたら、まず自分で手を動かして解決策を形にし、それを仕組みとして横展開する。このサイクルを回し続けることが、自分にとっての「プロダクトビルダー」の実践だと考えています。

好きなプロダクトだから、自信を持って提案できる
顧客の課題を解決するために大切にしていることは何ですか?
最も大切にしているのは、「確認・理解・尊重」のサイクルです。
商談では、まず顧客が抱えている現状や課題を丁寧に確認します。そのうえで、背景にある意図やビジネスの文脈を理解し、顧客のフェーズや方針を尊重しながら最適な提案を行います。
このサイクルは、社内外のあらゆるコミュニケーションに通じるものだと考えています。
この姿勢の根底には、「自分が関わった人の成長を促進したい」という思いがあります。もともと教師を目指していたこともあり、自分の働きかけによって誰かに少しでもプラスの変化が生まれることに、大きなやりがいを感じてきました。
もう一つ大切にしているのは、「自分が提案するプロダクトを本当に好きであること」です。
自分自身がferret Oneやferret MAの価値を深く理解し、本気で良いと思っているからこそ、自然と顧客に薦めたいという気持ちが生まれます。実際に、AI機能「ferretの相棒」の進化を目の当たりにして感銘を受け、そのAI機能が決め手となって初受注に至った経験もあります。
押し売りではなく、顧客の課題に寄り添いながら、「このプロダクトなら解決できる」と確信を持って提案する。それが結果として、信頼につながります。
“あったらいいな”を、AIで形にする
AIを使った業務改善の事例があれば教えてください
代表的な事例を3つ挙げます。
見積もりシミュレーター
Ahrefs自動分析ツール【KWinsight】
ferret One用Chrome拡張機能
❶ 商談現場で即座に概算を提示できる【見積もりシミュレーター】
営業現場で「その場で概算費用を見せたい」という課題は、現場で日々商談をこなすからこそ気づける痛点です。秋山代表も、現場から上がってきた課題として「簡単に見積もりを提示できる仕組み」の重要性に言及しており、まさにフィールドセールスの実体験が起点となった開発です。
まずferret Oneの概算費用を商談中にその場で提示できる「瞬間概算シミュレーター」をGAS(Google Apps Script)で開発し、ROIシミュレーターなども付けて他のセールスメンバーにも展開しました。
直近ではferret SFAシミュレーターも開発・運用しており、9段階プラン自動判定やSalesforce・HubSpotとの累積コスト比較機能を搭載することで、顧客への説得力ある料金提示を実現しています。
新サービスのリリースに合わせてシミュレーターを拡充することで、社内で新たにサービスを提案するメンバーにとっても分かりやすい料金提示が可能になり、提案品質の底上げにつながっています。
❷ Ahrefs Remote MCP連携SEO分析ツール【KWinsight】
MCP(Model Context Protocol)を活用し、AhrefsのSEOデータをAIが自律的に取得・分析する社内SEOツールを構築しました。
Ahrefsでの競合SEO調査は毎回手動で、複数ドメインを比較するだけで30〜60分/回かかっていました。ドメインごとに画面を開き直し、キーワードや流入数を手動でスプレッドシートに転記する作業が慢性的に発生。Ahrefsの操作に不慣れなメンバーは担当者へ依頼が集中し、属人化も課題でした。
解決策:OpenAI Responses APIにMCP統合機能が追加され、AhrefsがRemote MCPサーバーを公式提供開始したタイミングで、「GAS → OpenAI → Ahrefs MCP」の3層アーキテクチャを設計。追加インフラ不要・GASという既存環境のみで開発しました。
ブラウザからWebアプリを開くだけで誰でも競合SEO調査が可能に。営業やディレクターが自走で提案書用のSEOデータを取得でき、調査工数を大幅に削減しました。
③ ferret One業務を加速する2つの【Chrome拡張機能】
既存プロンプトのかゆいところを、自作のChrome拡張機能で解決しました。
1つ目は「セミナー機能の自動入力支援」。
ferret Oneのセミナー作成画面は入力項目が多く、AIで内容を生成しても、企画内容を1つずつコピペするなどの入力工数がやや発生していました。
開発した拡張機能では、AIが出力したJSON形式のデータをサイドパネルに貼り付けて1クリックするだけで、セミナータイトル・リード文・定員・参加費などを一括入力できます。
画面上の見出しテキスト(【セミナータイトル】など)をアンカーにして入力欄を特定し、ReactのネイティブsetterとEvent dispatchを組み合わせることで、フレームワーク上のフォームにも確実に値を反映させる仕組みです。Chrome Web Storeにも公開し、顧客へ届けることができました。
2つ目は「ferret One機能検索」。
管理画面の機能が増えサイドバーの階層が複雑化する中、「どこに何があるか」を毎回探す時間を削減するために開発しました。Ctrl+Kでサイドパネルを開き、キーワードを入力するだけで画面ジャンプや操作実行(新規ページ作成など)が可能。
よく使う画面・操作をクイック枠に登録すれば、ショートカットキーで即実行でき、日常のルーティン操作を数秒に短縮できます。
ひらがな・カタカナの自動統一やファジーマッチなど、検索精度にもこだわりました。
いずれもバイブコーディング(自然言語でAIに指示してコードを生成する手法)で開発しており、プログラミングの専門教育を受けていない自分でも実現できました。
意識的にキャッチアップしないとあっという間に差がつくという危機感も、学び続ける原動力になっています。

やりたいと声を上げれば、機会が生まれる
ベーシックで働く面白さはどこにあると思いますか?
一言で言えば、「現場メンバー起点での新しい挑戦が歓迎される環境」です。
例えばセールスだからセールスだけ、という枠にとどまらず、自分の意志次第でプロダクト開発にも、AI研究にも、社内の業務改善にも手を伸ばすことができます。
実際に自分は、営業をやりながらAI研究開発グループに参加し、自作ツールを社内に展開し、他部署の自動化にも携わるという動き方ができています。
また、「プロダクトビルダー」という考え方が組織に根付いていて、営業の一次情報をプロダクトに還元する仕組みが整っている点も大きい。顧客の声がダイレクトにサービス改善につながる実感があるのは、この規模の会社ならではの面白さです。
もう一つ挙げるなら、「変化に強い」こと。事業や時代の変化に合わせていち早く取り組むスピード感がベーシックにはあります。
入社して1年ほどでLead GrowthやLP Oneといった新規サービスが立ち上がり、少数精鋭で営業からサポート、セミナー運営まで担当する機会を得ました。
細かいことですが、社用携帯のスペックが古くなった際に声を上げたらすぐに対応してもらえたこともあり、変化に柔軟な組織だと実感しています。
入社当初から感じていた「挑戦に対するスタンス」は本物で、やりたいことを発信すれば機会が生まれる。その環境が一番の魅力です。
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